洗浄検証の対象サンプル
対象車両 :  いすゞ HJAIS-ASJKI
走行距離 :  1.5656226km
DPF状況 :  走行距離チェックオーバーラップチェック点灯

はじめに

当社は、航空機・ロケット部品の特殊洗浄・圧力検査及び、関連する治工具/設備/装置の設計制作、メンテナンスに加え、各種試験を受託するなど航空宇宙と密接に関わった業務を中心に行っております。

航空宇宙業界で蓄積した洗浄技術

本洗浄剤は航空宇宙業界で蓄積した洗浄技術をもとに、航空機エンジンの洗浄を想定したカーボン汚れ特化型として開発されましたが、自動車エンジンにも転用でき無いかと考え、排気系、特にDPFの洗浄・再生を目的とした検証・改良を繰り返し、新洗浄剤「KST-250 DPF」として生まれ変わりました。

DPFとは

DPF(Diesel Particulate Filter)は、ディーゼルエンジンにおける、排気ガスに含まれる PM(Particulate Matter:粒子状物質)を集約し、自動的にPMを燃焼処理(DPF再生) する装置です。

DPFの各社の名称 ●いすゞ:DPD   ●日野:DPR  
●三菱ふそう:DPF   ●UD:UDPC

PMは、DPF内の燃焼により減少します。残ったアッシュはフィルターで補足し、外気へは排出されません。アッシュはオイルに含まれる金属系添加剤が原因で生成されますが、DPF 内では燃焼処理できませんので、フィルターに堆積し、いずれは閉塞を起こします。

【アッシュとは】 エンジンオイルに含まれる硫酸灰分が燃焼することでできる燃えカス

DPFつまりのプロセス及び
メンテナンスの現状

DPF交換費用

●廃車まで(走行距離:100万〜150万km)1〜3回程度は新品交換が発生。
新品が30万〜100万円程度と高額。

車両停止リスク

●PM、スス等が堆積し、最終的に詰まるとその時点で走行ストップ。
●詰まるまでに、手動でのDPF再生が頻繁に発生、ドライバーの手間が増大。

本製品の性能

本洗浄剤は、トラック整備に係る時間の大幅短縮に寄与すると考えられます。更に専用の洗浄装置を併用すれば、省力化にもつながり、大幅なコスト低減実現に貢献します。従来品との違いは主に以下の3点です。

DPF詰まりの主原因である「アッシュ」を圧倒的なスピードで分解できる為、最短1時間で DPF洗浄を完結することが可能になりました。一般的にDPF洗浄の施工期間は最短でも2日は掛かると言われていますので、1日の稼働時間8時間とする場合、1/16に短縮される事になります。
『KST-250DPF』は、DPFの交換や洗浄で車両が動かせない日数をほぼゼロにできるという、これまでの常識を覆す革新的なDPF専用洗浄剤です。


本製品は、DPF再生による業務省力化及び時短、コストダウンに寄与するものとして提供されるDPF洗浄剤です。洗浄剤と併せて洗浄装置も現在開発中です。


洗浄作業時間


作業手順

【 用意したもの 】

・KST-250DPF洗浄剤
・取り外したDPF
・DPFが納まる寸銅(ステンレス製)
・DPF設置用架台(鉄製×2台)
・電動モーターポンプ
・ナイロンホース及び継手類
・散水シャワーヘッド

【 洗浄前DPF 】

エンジンで燃焼した排気ガスを受け止める入口側のメッシュ状況。外面だけでも多くのススが付着しているのが確認できる。

【洗浄前 DPF車両情報】
登録:2012年
車種:トヨタ ダ0イナエンジン:NO4C
方式:TKG-XZU605 走行距離:263,454km

※作業は風通しの良い場所で、保護メガネ及び化学薬品の浸透しない材質の手袋を装着して作業を行ってください。
DPFを洗浄装置にセッティングし、洗浄剤を希釈せずに全て、洗浄装置に入れます。

はじめに〈出口側〉から、洗浄を開始します。シャワーヘッドを押し当てるように洗浄剤を流し当てて洗浄します。出口側の洗浄が終わったら、洗浄面を入れ替えて次は、〈入口側〉から洗浄を行います。

空のタライ・架台へ移動させます。
DPFに残った洗浄剤をエアブローで除去します。

〈出口側〉よりリンス(水洗浄)を行います。シャワーヘッドを押し当てるように水を流し当ててリンスします。出口側のリンスが終わったら、洗浄面を入れ替えて、次は〈入口側〉から洗浄を行います。

リンス後半には、水の濁りが徐々になくなっているのが目視でも分かります。

DPFに残ったリンス液をエアブローで除去します。

乾燥したらDPF洗浄完了です。車両に設置・検査を行います。


作業手順動画

本洗浄剤ご採用のメリット

運輸業者様へのメリット

●洗浄等のDPF再生作業が短時間で済むため、車両運用の中断が短期で済みます。
●定期洗浄を実施することで排気系トラブルによる車両停止を予防できます。

整備業者様へのメリット

●DPF等の再生作業において時間短縮が図れ、従業員様の負担軽減につながる上、お客様への短期納入が可能となります。
●短時間洗浄が可能な本製品によるDPF洗浄を、車検等の定期整備に盛り込むことで、入庫期間中のDPF再生と、お客様の車両トラブル予防の実現を提案できます。


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